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「人生口伝」インフォメーション 

世代継承を考える市民講座

6月7日・7月5日・12日 札幌駅北口エルプラザにて開催

 かつてこの国の人々の人生は、世代から世代へと受け継がれていました。
 人生経験を積んだ高齢者は長老として敬われ、その言葉は人生の智慧として傾聴され、若い世代は古老の薫陶を受けて自己のアイデンティティを確立していきました。また古老も次の代に受け継がれることで、自らの人生を確かなものにしていったのです。

 ところが、今や老人は社会の厄介者で、「一軒の図書館」とも言われる古老の豊富な人生経験に学ぼうとする者はおりません。世代から世代への継承は、モノ・カネの分配としか捉えられていません。相続は心を失い<争続>とも呼ばれるようになってしまいました。

 失われた世代継承のなかで、高齢者への尊敬は失われ、若者は自己を見失っています。急激に進む少子高齢化。高齢者をめぐるさまざまな問題。そして若い世代でのニートの増加などの問題も、連綿と続いてきた世代継承の循環が戦後になって断ち切られてしまったことと決して無縁ではありません。

 こうした問題意識から、行政書士、フィナンシャルプランナーなど、遺産分与や相続、または葬儀の実施や墓所の確保など、世代継承の現場に立ち会うことの多い者たちが、相続や葬送など個別の問題としてではなく、世代から世代へと心のバトンを渡していく、全体的な世代継承として考えて欲しいと結成したのが「世代継承を考える会」(心のバトン)です。

 会では、活動の第一弾として、6月と7月、札幌市北区のエルプラザを会場に、現場の経験に基づいた「市民講座」を開催いたします。

 人生口伝は、世代継承を考える市民講座に協力しています。

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2008年8月15日

人生口伝が新聞で紹介されました。

「人生口伝」が8月15日の北海道新聞、朝刊に掲載されました。
記事は、8月15日の終戦特集の一環として、人生口伝を利用して戦争体験をまとめられた戦争体験者の方と私どもの取り組みをレポートしたもの。札幌市内版の朝刊に掲載されました。下記のような内容でした。


「言葉がつむぐ あの戦争*体験者の口述 自伝本に*札幌の会社」


 戦争を知る世代のかけがえのない記憶を子や孫に引き継ぐ支援をしようと、札幌市中央区の編集プロダクション「エディアワークス」が、高齢者に口述してもらった自伝を文章にまとめ、本にする企画「人生口伝」を始めた。第一号は、戦時中に太平洋のパラオ諸島で九死に一生を得た旧海軍衛生兵の須釜正悦さん(87)=豊平区=。今月下旬に本が完成する予定だ。(中略)
 既存の自分史の自費出版と違い、文章が書ける人以外でも本に残せるよう、日ごろの取材で行う口述筆記でまとめることにした。さらに「百部も刷ると、身内以外にも配ることになり、本音を明かしづらくなる」と部数を数部に抑え、印刷経費を圧縮。その分編集や校正に力を入れるのも特徴だ。(中略)
 五月からホームページなどで募集を始めたところ、須釜さんの家族から依頼が来た。森さんが話を聞きに行くと、須釜さんは「戦争は、勇ましいのではなく、惨めな思いをしたことを知ってほしい」と、壮絶な飢餓との戦いなどを語り出した。
 須釜さんは「自分で順序よくまとめられるものではない」と喜ぶ。当時の記憶をたどるうちに肌は張りが戻り、表情も豊かになって家族を驚かせたという。森さんは「ある年齢になり、子や孫に昔について話し出すのは人生の自然な過程では」と話す。
 費用は聞き取り時間や編集の程度で幅があるが、B5判、百五十ページ程度にまとめる場合で四十万円台が目安となる。